6月分の実質賃金が2年3カ月ぶりにプラスに転じた。「物価上昇を上回る賃上げ」の実現を最重要課題と位置づけてきた岸田文雄政権は歓迎するが、専門家からはプラスは「一時的」との見方が出ている。
「日本経済は新たなステージへの力強い移行が続いている」。岸田首相は6日、広島市での会見でこう述べた。質問は過去最大の下げ幅となった5日の株安などへの対応だったが、実質賃金のプラス転換を自ら持ち出してアピールした。
林芳正官房長官も6日の会見で、「賃上げの明るい動きが明確になってきた」と評価し、労務費の価格転嫁や、自動化・省力化への投資などを後押しする姿勢を示した。
プラス定着に向けたポイントは
2022年2月に始まったロ…